萌鉄'98 パート8
 「永遠の田舎電車、蒲原鉄道に敬礼」

蒲原鉄道


 1999年3月末で、3つの私鉄路線が消える・・・。
新潟交通、蒲原鉄道、名鉄美濃町線(新関〜美濃)。

 今回は距離的にも遠く、乗りに行くのが困難な新潟交通と蒲原鉄道を乗れるうちに乗っておこう。

 今は18きっぷ期間ではないので、今年4月に新しく発売された「周遊きっぷ」を初めて使ってみよう。新潟交通と蒲原鉄道を乗り歩くにはゾーンを「新潟・上越」(3980円)に設定。現地滞在時間は1日しか確保できない都合で、夜行で行って夜行で帰ってくる計画を立てた。行きは東海道・高崎・上越線経由で宮内でゾーン入り、帰りは柏崎からゾーンを出て信越・北陸・東海道線経由で行こう。

 と、いうように、きっぷ購入前に完全にコースを決めてしまわなければならないところが「周遊きっぷ」の欠点か。以前の「周遊券」はあらかじめいくつか経路が指定されていて、その中からどの経路を選ぶかは全く自由だった。そのかわり常識的な経路以外を選択することはできなかったのだが、旅行の途中できまぐれに経路を変えるようなこともできた。一長一短か。


 名古屋駅からはいつものように「ムーンライトながら」で東京を目指す。ここは全く何も書くことがないまま、いつものように東京へ到着。では上越新幹線へ・・・とはいかず(笑)、接続2分の山手線へ乗るべくダッシュ!上野で降りて5:13発の高崎行きに乗り換える。黄金の大垣夜行乗り継ぎパターン。

 列車は順調に東北〜高崎線と走り歩いて高崎に到着。ここでようやく上越新幹線に乗り換える・・・、しかし、なぜにこのようにしたのかというと、「周遊きっぷ」のゾーン外で特急に乗るためには特急券が必要で、上越新幹線に乗る場合、ゾーン内の最初の停車駅である長岡までの特急券を買わなければならない。東京〜長岡間の特急料金は3570円、これを高崎〜長岡間に短縮すると2520円になるのだ。しかも、乗る列車は同じ(^^)v

 そんなわけで、乗り換え10分なのでダッシュしつつも、高崎名物の駅弁「だるま弁当」はしっかりGETし、優雅に新幹線ホームに躍り込んだ。


 上越新幹線(じょうえつしんかんせん)。東京と新潟を結ぶ新幹線。高速型が「あさひ」、各停型が「たにがわ」だが、東海道新幹線の「ひかり」と「こだま」の関係とはちょっと違い、「あさひ」の中にも各停型と高速型があり、「たにがわ」は基本的に越後湯沢までの区間運転になっている。つまり、新潟へ行くには「あさひ」、越後湯沢以前なら「たにがわ」といった具合。もっとも、東海道新幹線も最近はこのパターンに近づきつつあるのだが。

越後湯沢は雪 途中、越後湯沢に着くと辺りは雪で真っ白。白銀の世界が車窓に広がる。眺めとしては美しいが、新潟も雪だったらどうしようと思いつつ、新幹線はワープを繰り返す(笑)。

 

 

 

 

 

 なんのなんの、長岡に着いたら全く雪は降っていなかった。さて、いよいよゾーン内に突入だ。ここで高崎〜長岡間の特急券と「ゆき」きっぷはお役御免で、ゾーン券が発動する。当然、このまま新幹線で新潟まで行くのだが、ゾーン券は特急の自由席には乗り放題だからだいじょうぶ。

 そして新幹線は最後の停車駅である燕三条に停車し、いよいよ終着駅の新潟を目指す・・・が、その間に重大イベントがある。そう、新潟交通の廃線跡をオーバークロスするのだ。新潟交通は現在、JR越後線の関屋駅からちょっと離れた東関屋と、盲腸線の終着である月潟とを結ぶ路線だが、以前は月潟からJR弥彦線の燕までの路線もあった。この部分は1993年に廃止された。高速で駆け抜ける新幹線から目を凝らして眺めていると、ハッキリとわかる廃線跡が車窓を横切る。新幹線とはほぼ直角にクロスし、周辺にあまり高い建物もないため、確認するのはかなり容易だった。


 新潟到着。う〜ん、緑(笑)。いや、新潟駅に発着する車両は、白のボディーに緑のラインを引いた115系がかなり多い。磐越西線に直通するキハ110も緑なので、やっぱ緑が多い。

200系上越新幹線、200系

 

115系新潟色の115系電車

 

キハ110JR東日本最新鋭ローカル気動車、キハ110形

 

 そんなことは別にいいが、最初は蒲原鉄道を目指すので磐越西線に直通する気動車に乗る。電化されている信越本線を走り、新津からは磐越西線に突入。磐越西線はかなり萌えな路線だが、今回は新津からたった4つめの五泉までしか乗らないため、ハイライトはない。・・・で、蒲原鉄道との接続駅、五泉に到着。蒲原鉄道の電車はすでにスタンバイしていた。


 蒲原鉄道(かんばらてつどう)。磐越西線の五泉と、村松を結ぶたった4.2kmの短い盲腸線。磐越西線は非電化で気動車が走るが、蒲原鉄道は電化されている。

 

蒲原鉄道五泉駅 JRのホームからちょっと長めの構内踏切を渡って蒲原鉄道のホームへ行くと、そこはウン十年前にタイムスリップしたかのような光景が広がっている。ひなびたホーム、年期の入った駅名標、それよりもこの電車、蒲原鉄道モハ71。おおぉぉぉぉ、このもう、他ではあまり見られない古き良き時代の田舎電車。取っ手のついた扉を手で開け、電車に乗り込むと床は木、座席も壁も天井も懐かしい感じがする。乗客はそこそこいる。とはいえ、単行(1両)のロングシートがだいたい埋まるかどうかという程度だが。

 

 

五泉駅名標

 そして、いよいよ電車が走り出す。ガリガリガリ・・ゴゴゴゴゴ・・デデデデデ・・・バキンバキンバキン・・・すげぇ、この豪快な走り。タタンタタンではなく、まさにゴガゴガゴガゴガと表現したほうが近いこの走行音、振動も半端ぢゃない。いいねぇ(爆)。線形が悪いのか車体が古いのか(いや、絶対両方)、もう、レールのつなぎ目の通過音さえ判別できないほどの振動と轟音。それでもけっこうなスピードを出す。だいじょうぶかしらん・・・と思ってしまう(失礼)。いやぁ、実に楽しい。旧型の気動車ともまた違う、電車特有の楽しさがあるねぇ。


 電車は豪走しながら唯一の中間駅である今泉に停車。ここではおばちゃんが乗ってきて、運転手がすぐさま切符を発行した。ワンマン列車だが整理券ではなく、乗ったときにお金を払って切符を購入する方式、混雑すると列車が遅れてしまうのでは?とも思うが、この方式で不自由することはないほど乗客は少ないのかも・・・。そのときおばちゃんの持つ切符がちらりと見えた。硬券だ(キラン☆)、あとでGETせねば。

 今泉を出ると線路はずっと道路と併走している。しかし、どこかの路線とは違い、そこそこのスピードを出して走る上、道路が狭いこともあってか、車に追い越されて悲しい思いをすることはない。


村松駅2番ホーム そうこう思っているうちに、電車はあっという間に終点の村松に到着した。村松駅の構内はかなり広く、五泉側には小さな機関庫もあれば留置線もある。また、すぐ脇には蒲原鉄道バスの車庫もある。ホームは島式の1面2線。線路はそのままホームを通り越したところで再び1本にまとまり、カーブして彼方へと続いている。そう、蒲原鉄道は今はたった4.2kmの極短路線だが、昔はこのまま続き、JR信越本線の加茂まで続いていたのだ。その廃線跡か?!これは探索しなければ。だけどまあ、とりあえずは改札をくぐるために駅舎へ渡る構内踏切へと進む。駅舎は蒲原鉄道の本社を併設しており、かなり立派な建物だ。改札をくぐり待合室に出るが、あまりひなびた雰囲気ではなかった。さて、蒲原鉄道の切符は硬券だということが判明しているため、切符集めを始めることとしよう・・・、と思ったそのとき、窓口の脇に硬券の切符セットなるものを売っていると書かれている。しかも、その切符は廃止になった村松〜加茂を含む全駅への乗車券というから買わないわけにはいかない。当然GET。中には全駅へ向かう乗車券の他、入場券や往復乗車券、定期券などが入っていた(なお、全て使用は不可)。これはすばらしい。セットで2000円なので村松駅へ行ったらGETすることを忘れないように。で、それとは別に現役の切符もGETしておく。村松駅の入場券、五泉行きの硬券乗車券、今泉行きの硬券乗車券は当然、それ以外にも、販売機で売られている五泉行きの軟券乗車券と、今泉行きの軟券乗車券を2枚GET。今泉行きを2枚GETするのは当然、保存用と使用用にするからである(笑)。


留置線の電車 おっと、そうこうしているうちに電車の発車時間だ。・・・が、電車には乗らず、村松駅から線路沿いに五泉方面に歩き、豪走する電車を写真に収める。その後、留置線にいる車両を見学することにしよう。村松駅の構内と留置線や車庫の間に踏切があり、ちょうど両構内を眺められる。とはいえ、他の鉄ちゃんをはじめ、みんな線路内に入りまくりだからあまり意味はないが。留置線にはラッシュ時に2〜3両で運転されるときに使われる車両に加え、電気機関車、ラッセル車もいる。奥には村松〜加茂間廃止と同時に廃車となったモハ12も朽ち果てながらもいた。

 

 


廃線跡 そんな感じで電車基地を堪能した後は、やはり村松駅から先、廃止になった区間が気になるところ。では行ってみよう(笑)。線路は村松駅から100mほどのところに車止めがあって途切れている。その先で道路と交差するが、道路の舗装に踏切の跡がある。その先は線路を撤去しただけの状態で、荒れ放題だが廃線跡がくっきりと残っている。本当ならここから廃線跡ウォーキングをしたいところだが、今回は時間の関係で泣く泣く引き返す。

 

 

 


 こんどは村松駅から再び電車に乗って引き返す。またもや豪快な走りを楽しみながら、唯一の中間駅の今泉で降りる。

今泉駅 今泉は片面ホームの何もない駅。待合室も屋根付きベンチという感じで、なかなかいい感じ。ホームの上になぜかバス停があり(たぶん道路上に置くスペースがないからだろう)、時刻表を見ると朝に加茂行きがあるだけ・・・、行きしかなくて帰りはどうすんぢゃいというツッコミはやめておこう(笑)。鉄道廃止後はこのバスを増発することになると思うが、路線のほとんどが道路に面しているため、廃止になったら道路を拡張して廃線跡は跡形も無くなりそう。今泉駅のホームも道路側にあるため、跡形もなく消えるのは必至。そうこうしているうちに、電車が五泉まで行って折り返してきた。走りざまを写真に収め、村松方面へ走り去る電車を見送る。この後はしばらく時間があるので近くの店で昼飯を買ってホームのベンチで食べながら次の電車を待つ。蒲原鉄道は昼間でも毎時1本の運転はしているので長い時間途方に暮れることはない。


 さて、電車がやってきた。外で聞いていてもスゴい音。最新の電車はほとんど無音に近い走行音だが、もうゴガゴガいっている。いいねぇ。

 で、電車に乗り込んで運転手さんから五泉行きの硬券乗車券をしっかりGET。再びゴガゴガいいながらすぐに五泉に到着。この田舎電車ともお別れか・・・。名残惜しみながらJRのホームで新潟行きの列車を待つ。やってきたのはやはりキハ110。気動車でも最新型のため、蒲原鉄道の電車より静かで滑らかなのは技術の進歩か。五泉駅を発車したキハ110の窓から走り去ってゆく蒲原鉄道のモハ71が見えた。同時に発車するとはニクい演出だネ。

 

 萌鉄'98パート9へ続く・・・。


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